総合的な指数は

班長の飯島です。
地方公共団体の財政力を表す指数とは何でしょうか。決算統計などで使われる「財政力指数」がありますが、これはそもそも地方交付税の算定上の基準財政収入額を基準財政額で除して求めるものであり、あくまでも標準的団体における標準的な需要と収入を前提とした理論上の指標です。ここには、団体のストックの状況などは反映されてはいません。
したがって、「財政力指数」をもって当該団体の財政力と決めつけることは出来ないでしょう。
地方公共団体の「財政力」は、一般財源ベースの歳入次元だけで考えれば済むものではなく、歳出次元でも、歳入の涵養につながる政策実施能力や、財政運営の能力も「財政力」を形成しているというのが、議会の側から財政についてみてきた実感です。
総合的な財政力を考えるならば、さまざまな角度からの検討が必要になるという、当たり前の結論ですが、ただ、そう言っておいて何ですが、23特別区にあっては都区財政調整における基準財政収入額、基準財政需要額は、概ね地方交付税制度に準じているのですが、特別区各区の行政実態を反映するような測定単位の補正を行うという、本来とは逆の算定をしています。決算統計の「財政力指数」は23区バージョンということのようです。
そこで、地方公共団体の「財政力」を「必要な施策の実施に必要な財源を調達する力」として、フローだけでなくストックも含め、予算次元も考慮しながら見ていくことにします。
その中で、「財政力指数」も先に触れた点など考慮しながら使っていくことにします。
今回は、硬い話の入口の話で終わります。
次回からは具体的な事例を取り上げ、考えていきます。