そして、今回もすみません

 経営者による会計不正と監査人との戦いについての基本的な知識は「会計不正 会社の常識 監査人の論理」に基本的なことが書いてあり、特定目的会社を使った粉飾についても、ほぼオリンパスの事例に通じることが書いてありました。前著よりも事例を中心としているだけわかりやすくなっています。日本の経営者が、「会社のために」という理由で会計不正を行うとき、いかにその発見が困難であるのかなど、興味深い知見がちりばめられています。


 さらにここにきて、オリンパスの問題について、より会計的立場から切り込んできた「論客」が現れたのでご紹介しておきます。
 それは、小宮一慶氏の「スイスイわかる経済!”数字力”トレーニング」http://bizacademy.nikkei.co.jp/seminar/marketing/suisui_keizai/article.aspx?idという記事です。
 小宮氏といえば、財務諸表の読み方の参考にということで過激な表題につられて結構愛読したものです。

 ちなみにこの一冊など。


 ここでは、現預金の額の多さに、着目していますが、その理由として粉飾が露見したときのファイナンスのためではないかとの推測を示しています。
こうした絵解きは、後だしじゃんけんみたいな気もしますが。粉飾があったことを前提に言うのですから。しかし、今後どのように論が展開されるのか注目です。
 ということで、23区の分析については、次回になりました。すみません。

あらためて、インベストメントバンクに働く人のメンタリティーについても考えさせられます。


チャラチャラした見かけにだまされてはいけないという見本のような本です。この本のつくりをだれが考えたのでしょうか。でも、著者は案外気に行っているのではと思いました。中身は、面白いです。


基本的なことは変わっていないということを感じます。手段の変遷はあるでしょうが、なんで経営トップが不正を行うのか。日本の場合の「会社」の特別な思い入れを感じます。

一秒ではちょっと無理があると思うのですが。