『暗峠』という名のつく国道もある

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

冬至 第六十四候『乃東(なつかれぐさ) 生ず』

 昨日、『冬至』。今日からは、日照時間が増えていく、再生のサイクルがはじまります。しかし、寒さはこれからが本格的になるというのです。暖冬と予想されているのですが、年々、暑さも寒さも厳しさを増してくるように感じるのは、年齢のせいでしょうか。それとも、気候変動のせいなのでしょうか。
 さて、河豚の美味しい季節です。長嶋さんの河豚にまつわるホントかウソか分からないエピソードを教えてくれた人がいました。河豚の薄造りをざっくりと箸で掬いながら話してくれたような記憶があります。あたかも自分の行為を正当化するように。でも、楽しかったです。美味しかったです。
 今日の珈琲はエチオピア「ハラー・ロングベリー」です。ベリーというよりは、グレンな風味を感じるのは、この豆の淹れ方がつかめてないからでしょうか。「イリガチョフ」の適温で淹れ終ったときにドリッパーからシトラス系の香りがたちあがるようなことが、今のところありません。

鉄道VS国道

 交通インフラの双璧と言えば、鉄道と国道でしょうか。鉄道は明治以来のインフラですが、国道は、ある意味、律令国家成立以来の統治と物流のインフラでした。しかし、マニアという視点で見ると、国道マニアの目から見ても、国道はやや分が悪いと言えます。
 「鉄道の歴史というものは、驚くほどによく研究されている。例えば、とっくの昔に廃止になった路線で使われていた車両が、それぞれどこに行ってどう使われているか、すべて調べ上げられていたりする。
 それに比べると、残念ながら道路の歴史研究はまるで進んでいない。かつての街道などの研究家は多いが、現代の国道については、実はあまり調べられていないのが実情だ。」と本書の著者も嘆く。


国道者佐藤健太郎 著)




 鉄道は、極めて厳格な企画によって整備されている交通インフラです。(最近までそう思っていたのですが、この頃は、おやっと思う事故などが発生していますが)。
 一方、国道はどうかと言えば、『道路構造令』などという、政令がある一方、「実は、国道には道幅や交通量についての決まり事は何もない。会談だろうが海の上だろうが、国が『これが国道である』と決めてしまえば国道なのだ。」ということで、「ええっ」という国道が存在するわけです。詳しくは国道289号線や国道246号線「永田町バイパス」についての本書の記述をお読みいただきたいが、路線番号にまつわるエピソードの富士山噴火や、映画で知る『網走番外地』とのつながりや、国道339号線『階段国道』の標識とか、オリンピックとの関係とか、興味尽きない情報が盛り沢山です。
 著者の著作は以前にも紹介しましたが、国道マニアでない方も、近くに行ったときに立ち寄ってみるためにも、一読をお勧めします。特に、奈良時代に切り開かれた由緒正しい、歴史的にも知られるという国道308号線『暗峠』は、凄い。何しろ「鞍が引っくり返りそうになった」ほどの急勾配で、「鞍返り峠」がなまって「暗峠」になったという説もあるほどだとか。



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