23区といっても
班長の飯島です。
連日暑い日が続いて、ぐったりとしています。
それはさておき、前回の続きですが、表からは港区と目黒区の財政力の差が歴然のようですが、しかし、23区全体でみるとことはそう単純ではありません。
平成21年度の決算状況一覧表から、経常収支比率の低い順、つまり財政の硬直化が低い順に23区を並べた表を作成しました。
番号 | 区名 | 経常収支比率 |
---|---|---|
1 | 港区 | 64.4 |
2 | 品川区 | 74.6 |
3 | 千代田区 | 75.4 |
4 | 文京区 | 78.3 |
5 | 中央区 | 78.5 |
6 | 葛飾区 | 79 |
7 | 荒川区 | 79.3 |
8 | 江戸川区 | 79.9 |
9 | 大田区 | 81.7 |
10 | 足立区 | 81.9 |
11 | 江東区 | 82 |
12 | 渋谷区 | 82.3 |
13 | 杉並区 | 83 |
14 | 台東区 | 83.3 |
15 | 豊島区 | 83.5 |
16 | 練馬区 | 84.6 |
17 | 北区 | 84.7 |
18 | 世田谷区 | 85 |
19 | 新宿区 | 85.8 |
20 | 板橋区 | 86.1 |
21 | 中野区 | 87.5 |
22 | 墨田区 | 90.2 |
23 | 目黒区 | 95.3 |
ちなみに23区の経常収支比率の平均は82%です。この表を見る限り、朝日新聞の連載記事で港区と目黒区をあげるのはうなずけますね。
しかし、同じ表を財政力指数で並べなおすと次のようになります。数字が大きいほど財政力が高いということになります。23特別区の場合はこの数値が財調の算定基礎になっています。
番号 | 区名 | 財政力指数 |
---|---|---|
1 | 港区 | 1.2 |
2 | 渋谷区 | 0.99 |
3 | 千代田区 | 0.8 |
4 | 世田谷区 | 0.75 |
5 | 目黒区 | 0.71 |
6 | 中央区 | 0.67 |
7 | 新宿区 | 0.65 |
8 | 杉並区 | 0.65 |
9 | 文京区 | 0.6 |
10 | 大田区 | 0.54 |
11 | 品川区 | 0.53 |
12 | 豊島区 | 0.51 |
13 | 中野区 | 0.5 |
14 | 練馬区 | 0.47 |
15 | 江東区 | 0.46 |
16 | 板橋区 | 0.43 |
17 | 台東区 | 0.42 |
18 | 江戸川区 | 0.4 |
19 | 墨田区 | 0.38 |
20 | 北区 | 0.38 |
21 | 葛飾区 | 0.37 |
22 | 足立区 | 0.33 |
23 | 荒川区 | 0.3 |
こちらの23区平均は0.57です。
ご覧になっておわかりの通り、目黒区は23区中第5位、上位にランクされています。経常収支比率で23番目であった目黒区が、財政力指数では5番目になっているのです。
ちなみに中野区は13番目で中央値といわれる位置にいます。50%と数字もきりがいいのですが、平均よりは下回っています。
財政力指数だけで財政力を決めつけることには疑問があるということですが、経常収支比率と財政力指数の問題については、次回さらに踏み込んで考えます。。