これでしょう 第2回 夏だ!タオルだ!

 班長の飯島です。
 意見は個人のものです。
 「日本」に経済再生のカギがある。私たちの「いま・ここ」の生活に力がある、というおもいが「これでしょう」というタイトルなんですが、取り上げるものを重ねて理解してもらうことになるでしょうね。

 ところで、タオルがはじめて日本に輸入されたのは明治5年のことだと知っていましたか。私はタオルの本―世界一タオルを研究している会社がつくったを読むまで知りませんでした。

汗の季節「タオル」の季節
 「巻き返す今治タオル」という記事が、12年6月25日の朝日新聞に載りました。かつて激増する中国産のタオルの輸入を制限してもらおうと国に緊急輸入制限措置を申請したが、発動されなかった経緯があり、それがかえって自分たちの問題として危機感をもってことに当たれ、巻き返しにつながったと四国タオル工業組合の理事長さんも語っていると記事にありました。このあたりのことは『「今治タオル復活」にみる地場産業再生の道』http://diamond.jp/articles/-/20961に詳しいです。その反転攻勢のきかけになったのが、佐藤可士和士の協力を得て、06年度の経済産業省のJAPANブランド育成事業という補助金事業に取り組んでからだといいます。
 実は、先にあげた『「今治タオル復活」にみる地場産業再生の道」でも触れられているという内野株式会社というタオル事業者の出版したタオルの本―世界一タオルを研究している会社がつくったを読んで、すぐに今治タオルと佐藤可士和氏のことを思い出していました。佐藤氏というと立川の幼稚園にも行ったことがあって、気になるアートディレクターでしたから。

「タオルの本」は、毎日の暮らしをもっと豊かで幸せなものにする、つまりタオルを使うたびに「幸せなタオル心地」を感じてもらいたくて出した本だとあとがきにあります。そのために、「内野路」と名前の付いた道のある生産拠点を上海につくってしまったあたりがすごいです。
 
フォーカスしたのは吸水性
 さて、今治タオルですが、佐藤氏は、今治タオルの何を社会にアピールするかについて、価格か、色か、デザインか、風合いか、さまざまに考えたあげく、「吸水性」こそ本質だと思い至ります。手触りや色は個人の好みによって変わってしまうが、吸水性はそういう価値基準ではない。吸水性に立脚した品質を社会にアピールすると焦点を絞るあたりが、「これでしょう」なんですが、時代が変わってもブレない価値、「そうそう」と共感を呼ぶコミュニケーションの回路を構築するヒントは、佐藤可士和のクリエイティブシンキングにいろいろあります。

洗濯がお気に入りをもたせる

 
ところで、タオルでもお気に入りってありますが、ながく快適に使い続けるためには、手入れが肝心です。これはどんな道具にも言えることで、個人的なことですが、私は最近鋏を研いでいます。
 特に繊維ものは洗濯がポイントです。この手入れ関連つながりで、不思議な本を発見しました。10年着るための衣類ケアブック 〜おしゃれと手入れの楽しみかた (COMODOケアブック)というタイトルの本ですが、何が不思議かといいますと、出版元が技術評論社だったからです。

いけないとは思いませんが、技術評論社から出るにしてはなじまない気がしたので、さっそく手に取ると、本質は女性向きなんでしょうが、私には結構いける感覚でした(多分、僕らの年代はいけると思います。)。出かける前に、洗面器でポロやボタンダウンのシャツを洗っていた学生時代を思い出しました。最近、衣替えでお気に入りのシャツが出てきました。写真のシャツですが、長く着たので襟がほつれていました。自分でかがってみました。ワザと下手に。タクローの歌が流れていたあの頃を思い出したりしながら。
 黄ばみを取るには煮洗いが良いとか、アイロンがけのコツとか、まあ自分で自分のお気に入りだけはやっても良いなかなと思いますが。
ところで、新たに発見した佐藤可士和氏つながりは違う角度なのであらためてお伝えします。

今回の資料まとめ