クリエイティブ立国ということ

 人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

貿易収支の赤字が語るのはモノから知恵への流れか
 23年の貿易収支の速報値が財務省から発表されました。(実は、この報道資料で聞いてみたいことがあったのですが、休みになってしまいました。次の機会にお伝えします)予想されていたことではありますが、7兆円近い貿易収支の赤字は、一過性のものなのか、はたまた赤字基調の定着みたいなことが議論になるのか、気になるところです。アナリストには、日本の製造業の国際競争力の低下、要するに売れるものが造れないということを指摘する向きも多いのですが、それでも、大抵、最後には、高付加価値で高品位の、他で真似できない比較優位の分野は保つことが大事だと付け加えることが多いですね。
 しかし、それは、モノから知恵への軸足の移動じゃなかと思います。私の「モノづくり大国」への違和感はこのへんにあるのかもしれません。
 そんなことを考えていたときに、『クリエイティブ・アイデアのヒミツとヒケツ』という本に出会いました。まあ、アイデア本とかデザイナーの書いた本が好きということ、昔、クボセン(古いです)でコピーライター養成講座を受講したこともあって、広告関係の本も好きということで、こういう本をつい手に取るわけですが、ここには、「モノづくり大国」から「クリエイティブ大国」を目指すことが今後のグローバル経済で生き残る日本の進路という認識から、それには多くのクリエイティブアイデアを出せる人材が必要になることを踏まえ、アイデアのヒミツとヒケツが説かれている本です。
 アイデアは、思いつくものでも、降りてきたり、ひらめいたりするものではなく、実は創意工夫で作りあげるもの。だから、スキルとして身につけることができるし、そのためのエクササイズもあるというわけです。
 その意味で、実践的な本でもあり、クリエイティブ・アイデアの「ヒミツ」をひも解いて、その「ヒミツ」からアイデアを生み出す「ヒケツ」へと、基礎編、企画編など、具体的発想を導く手法が語られている一冊です。
 しかし、私としては、「大国」というとクリエイティブにはちょっとどうかなということで、クリエイティブ立国でどうかなと個人的には思っています。でも、本書の基本認識はそうだと思います。


経済成長は何によるのか

 アベノミクス三本の矢の本命は、金融政策よりも成長戦略でしょう。産業政策や構造改革などが言われていますが、あまりはっきりしません。
 かつての日本の経済成長は、輸出に引っ張られる形での国内設備投資でした。それを可能にする貯蓄があり、それが、消費を拡大しつつ貯蓄も増やすという循環をもたらし、国民経済の拡大をもたらしてきました。さて、ここからは何が成長の牽引の役目を果たすのでしょうか。
 次回には、これも意外な出会いの本をご紹介します。

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広告関係以外にも使えるという触れ込みです。

*文字の脱漏を補い、広告関係以外にも、と修正しました。