ストライクは誰の見解か?

 人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

果たして週明けから、市場の動向は?
 週明けからの東京マーケット、為替と株の動きはどうなるのでしょうか。というのも、「期待はずれのリスク」の水準に入ってきたという指摘が早くも出てきているからですが、どちらも「期待」ではないかという気もします。着実な生活水準の維持向上への経済の進展が大事なのではないでしょうか。
 一方で、誰がなるのかに「期待」が集まっている日本銀行の総裁・副総裁の人事ですが、政策委員会のメンバーである6人の審議委員の任期はどうなっているのでしょうか。実は、早い方でも2015年の3月25日です。もっとも、日銀の政策決定にあたっては、総裁の意向というのは相当に強いのでしょうし、現政権がどういう背景の人事を行なったかは、審議委員の方々も承知でしょうから、これまでの金融政策の流れと、仮に違うものでも政策委員会の決定になるのだろうとは思いますが。日銀政策委員会の様々な実態については、隣のダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/kin-ichi/20130207でもとりあげました、中原伸之氏の『日銀はだれのものか』を読むとなるほどと思います。
 


アベノミクスの理解は結構難しい
 アベノミクスの三本の矢ですが、金融政策、財政出動、成長戦略と、言葉は手垢の付いたものですが、その具体的政策となると、理解するのは結構難しいです。2%のインフレといってもどうそれを実現するのか、雇用は、給与は、金利は、等々です。しかも、意見は別れていますから、余計わかりにくいところがあります。
 そこで、まずは藻谷浩介氏の『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)』をどうぞ。本書では、生前贈与による高齢者からの所得移転の促進が説かれています。さらには、対策の本筋、女性と高齢者による生産年齢人口の穴埋めで、私的理解で言えば、需給均衡策や、付加価値ということで、おもてなしの観光振興など、聞きなれた方策も説かれています。
 一方、この藻谷氏に批判的なのが、内閣府参与の浜田宏一氏の『アメリカは日本経済の復活を知っている』です。本書もあわせて読んでみないと、インフレターゲットのなにやらもなかなか理解できません。これも私的理解ですが、物価上昇が起きたときに併せて雇用も上昇するのでしょうか。2%の物価上昇は他の事情が等しい限り、2%のマクロベースでの実質賃金の下落となり、その分失業率が低下するというような説明をしている方がありましたが、果たして、どうなのか、インフレターゲットの「きも」は、これも個人的な理解ですが、雇用の改善が実現するかどうかにあると思います。
 そして、最近の注目書は、小幡績氏の『リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)』です。リフレはなぜヤバイのか。それは、インフレが起きるとすれば、円安による輸入物価の上昇というかたちで起こるだろうということと、名目金利の上昇リスクを考えると、国債の暴落が懸念されるという、これも私的な理解ですが。
 
 財務省が、2月8日に国際収支状況(速報)を発表しましたがhttp://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2012cy.htm貿易収支の黒字幅は2年連続して縮小ということです。円安で輸出が増えても、それにあわせて輸入も増え、しかも円の金額ベースでということなのかどうかなど、アベノミクスの展開とその政策効果については、一度は、自分のあたまで検討をしておくべきでしょう。


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