連休明けに、政治と経済はどう動くのでしょう

 人鳥堂の飯島です。5月の連休も終わり、季節は梅雨に向かいますが、同時に選挙の季節も迎えます。意見は私個人のものです。

論じる側から論じられる側に、

 まあ、論じる側から論じられる側になって、さて、いかなる手を打ってくるのか注目された、日銀の新総裁、新副総裁ですが、まずまずの滑り出しだったと思います。まあ、異次元の政策も、実は2002年12月の経済財政諮問会議での、浜田宏一内閣府経済社会総合研究所所長(当時)のプレゼンテーションで述べられていたことだったような気がします。一方、副総裁に就任した岩田規久男氏については、格好の著書があります。それは、『日本銀行 デフレの番人 (日経プレミアシリーズ)』です。

 そのものズバリのタイトルですね。本書には、「こうすれば、デフレを脱却して財政再建ができる」という第7章がありますから、今後の打つ手はある程度予測できるということでしょうか。その意味では、想定のうちですが、市場へのサプライズ効果ということになると、想定を超える金融政策ということが求められて、ハードルは高くなりますね。
 さて、本書には、予想インフレ率を2%にするために必要なマネタリーベースが何兆円なのかも示されています。一方、「生産年齢人口減少説」の誤りを指摘したり、予想インフレ率が上昇すれば、銀行の貸し出しと貨幣が増えなくても、デフレを脱却できるのはなぜか、が示されたりしています。

「政治」が将来予想を変えた?
 私には、日銀の金融政策転換の前に、円安や株高は始まっていたように思えるのですが、それは「政治状況変化の期待率」とでも呼べるようなものが上昇したから、人々の将来予想に変化が生まれたのではないでしょうか。一方では危うい思いもありますが、今ほど政治への期待効果が高いときもないのかもしれません。
 それはさておき、いままで、「予想インフレ率」っていかなるものかがわからなかったのですが、本書で「普通国債物価連動国債金利差」で示されています。とすれば、昨年末の総選挙以来の予想インフレ率の推移を示して、日銀の金融政策転換の効果を、誰か論じてくれないものでしょうか。

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