終わりなき知の営み

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

ナゼ、アノトキ、コノホンヲ、カッタノカ


 立花隆の書棚ということになれば、はじめから圧倒的なボリュームを考えていましたが、まったく期待を裏切らない膨大な集積です。そして、この本『立花隆の書棚』の厚さも、当然と思えます。そして、書籍を前にした立花本人の饒舌も、果てしなく、「書棚を前にして、言葉は境界を超えてとめどもなく広がり、語り始めると止まらなかった。」とご本人が語っているほどです。
 当初乗り気でなかったこの企画に関わっているうちに、立花は、「けっこう面白いことだと気がついて」、ひきこまれていったようです。その理由は、ふたつあったようです。
 ひとつは、書棚を見ると、「自分のメイキング・オブ」が見えてくることで、特に、若い、金のない時分に買った本には、「どの一冊にも買った理由がある」、ということで、ナゼ、アノトキ、コノホンヲ、カッタノカという自身内面の促迫が蘇ったということでしょう。
 もうひとつは、「書こうと思っていて書いていない本がけっこうある」というやり残した仕事があることが、書棚のブロックを着ていくと気づかされるということだそうで、全てはできないだろうと言いながらも、意欲満々です。残された時間を考えるくだりの発言でもそれはうかがえます。いわく、「昔読んだいい本で、後でもう一度読み返したいと思っていた本と、これから出る新しい本のどちらを優先して読むべきか。」残された時間は限られているが、立花は、「若い才能と出会うことを選ぶ」としている。なぜなら、そこには、ワクワクするものがあるからだというが、とまれ、『立花隆の書棚』、暑い夏向きの、宅配が嬉しい、厚さ満点の一冊です。

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