昭和44年に何をしていましたか?

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

ヨーロッパの合理性にうたれる

 取り上げた本に比べ、見出しがやけに大げさな感じですが、かいつまんで、かかる認識に至った経緯を。
 本書、『さわの文具店』は、ちょっと前に読んでいたのですが、文庫本の探索で見つけた『昭和三十年代の匂い (ちくま文庫)』の、次のような記述に出会って、思い出したというわけです。

「1969年1月、坂本龍一山下達郎といった高校生だった連中は永遠の高校生、椎名誠沢野ひとしたちのグループを永遠の若手サラリーマン」とする黒沢進の定義を紹介して、あわせて、昭和生まれの習性として、西暦を昭和に換算して、1969年は昭和44年であることを、ことさら書いているのですが、その手で行くと、私らは、永遠の大学生ということになるとか、著者や、巻末で対談している岡田斗司夫は永遠の中学生かい、とか、昭和生まれの習性というけれども、平成という年号が変われば、平成生まれの習性として西暦を平成に換算するのではなど、思いつつ『さわの文具店』で、気をそそられたことに取り組もうと思ったのでした。実は二つのことに気をそそられていて、ひとつは、ホッチキスを使って、資料をノートに貼り付けるというもので、これについては、本書で学んだとおりに実践していたのですが、もうひとつの、万年筆のインク、ペリカンの4001についての、沢野の、センチメンタルな色合いについて語る文章を読んで、なんとか使いたいと思っていたことは、私の持っている万年筆がモンブランなので諦めていたのでした。ところが、本書を再読し、さらに思いがいや増していたときに、、中野区にある文具店「旅屋」http://tabiya-nkn.ocnk.net/でのちょっとした出会いと発見によって、ひょっとしたら、モンブランペリカンのインクが使えるのではと思いついたのです。(すでにご存知の方は多いのかもしれませんが)短いインクカートリッジは、モンブランも、ペリカンも、セントロペンというチェコスロバキアのものも、見た目、同じ接続仕様と思われました。そこで試してみたら、これがドンピシャリ。というわけで、ペリカン4001のロイヤルブルーを使っています。日本では、パイロットとセーラーとプラチナでは、インクカートリッジの仕様はみなそれぞれで、互換性がありません。それに比べると、ヨーロッパの合理性を感じざるを得ないということです。ということで、冒頭の見出しになったというわけです。

 ところで、昭和30年代はどうなったのかということについては、次の機会に。

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