選挙について

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

「フォーメーション」

 ネット解禁が、もうひとつの話題になったていた参議院選挙だけど、正直、ピンと来ませんでした。そうかなあ、という感じで選挙期間を、活動をしつつ、過ごしました。
 NHKの番組、クローズアップ現代の特番で、自民党のネット選挙への取り組みが取り上げられていましたが、多分、これからは、ビックデータという言葉が、より身近になり、普通に語られたりするようになるのだろうと思います。こういうことで、風潮がつくられていくのでしょう。ネットを使った選挙戦ではより進んでいるというアメリカの選挙戦、特に大統領選挙について、その渦中でリアルに運動を体験しての報告が、海野素央著『オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略』です。

 ここに見られるのは、ネット活用もさることながら、ボランティアを中心にしたコミュニケーション戦術です。ロムニーを相手と見極める読みや、最小の努力で勝つための戦略の立て方、特に、アメリカの、様々な戦い、企業間の競争や外交などでもそうだと思われますが、ものの考え方を示す言葉として、私としては、著者が使っていた「フォーメーション」という言葉が気になりました。
 オバマ陣営のフォーメーションとロムニー陣営のフォーメーションの違いを、ハードルの高さの差として、より図解的に、把握することができます。このフォーメーションという言葉、アメリカンフットボールでよく聞く、「ショットガン・フォーメーション」など、組織を作戦にしたがって具体的に展開している、いわゆる「見える形」にするものに思えます。ボードゲームのように理解できる形にする「フォーメーション」は、他人種国家アメリカで一つの方向に作業を集約するためには極めて効率の高い方法なのではとも思いました。それでいて、極めて人間臭いドラマがアメリカ大統領選挙ということでしょうか。
 日本のネット選挙についての様々な分析はこれから出てくるのでしょうが、本来期待された、選挙への人々の参加という点で言えば、これまでと少しは違う可能性の芽が出てきたのでしょうか。このあたりの分析が出てくることを期待したいです。


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