むかし、アサカ書房がありました

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

七十二候
寒露 末候 蟋蟀戸に在り(きりぎりすとにあり)。野にあった虫があかりや暖かさに惹かれてか戸口によってくるのか。

今日の珈琲
コスタリカ・スプリングバレーでした。三杯分入れると、味も豊かに入れられるのは腕の未熟さでしょう。


まちなかの本がある空間
 知らないまちの、初めて足を踏み入れた本屋さんの印象で、そのまちの印象が決まるとまでは言いませんが、喫茶店とならんで本屋さんも、そのまちの暮らしの色合いを伝えているように思えます。
 そこで、得地直美、本屋図鑑編集部『本屋図鑑』です。

 日本全国の(もちろんすべてではありません)ごく普通の本屋さんが取り上げられているところと、写真が使われていなくて、多分鉛筆だと思いますが、手描きイラストで作られています。
 駅前にある、普通の本屋さん、寒い時も、暑い時も、ちょっと立ち寄って、しばし、和む時間を楽しめる空間です。むかし、家の近くにも、たしか「アサカ書房」という名前だったと思いましたが、本屋さんがあって、そこで、筑摩書房の『芥川龍之介全集』を取り寄せてもらったりして、全巻買い揃えたことなど思い出します。もっとも、学生時代の最後の頃に、お金がなくて、泣く泣く古本屋に売ってしまいましたが。ともあれ、三和土で足が冷たくなる思いをしながら、悪書も含めて、よく立ち読みしていたことなども思い出します。

 本屋さんということでは、朴順梨著『離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち』もあります。

 隠岐海士町の事例もあるように、離島といっても、日常は普通に進んでいくのでしょうし、困難はあるにしても、本屋さんがあることは、素晴らしいのではないかと思います。