出会いを生む”本”

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

立冬 末候 『金盞香(きんせんかさく)』

 「きんせんか」とありますが、水仙のことです。黄色い花と周りを囲む白い花弁を「金盞銀台」と呼びならわしたことに由来するのだそうです。旬の魚は甘鯛ですが、残念ながら、出向いた魚屋では切り身が見つからず(頭や骨のことがあって食べにくいのと始末のこともありますから)、真鯛の切り身になり(こちらのほうが贅沢かも)蒸し物に。

珈琲は、「モカマタリ」でした。二四節気にそれぞれの珈琲という企みは、簡単ではないように思います。


 以前取り上げた岡野雄一著『ペコロスの母に会いにいく』http://d.hatena.ne.jp/auditor28/20131009/1381297607は、映画化されたんですね。
 
それはそれとして、「旧暦」について、結構関心が集まっているようですが、それも、昨今の、過酷な気候のせいなのでしょうか。文・白井明大、絵・有賀一広『日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―』も、楽しめる本です。

 今日がどういう『候』か、およそ五日でめぐる身体感覚、自然の姿でとらえた『時』の表現から、いのちの流れを感じてみることが、物質文明とデジタル社会がカオスを作り出している現在の世の中を生きる私たちにとって、一種の解毒剤になるように思います。
 と言いながらも、混沌とした社会状況に向き合わなければならないのですが。


定住する”アナーキー”な感じとは?
 以前に、誰かと話していて、高倉健さんは、無頼ではない、と思うことがありました。あえて言えば、「アナーキー」でしょうか。「漂泊の」と補いたくなります。そして、鶴田浩二は「哀愁の」、菅原文太は、「定住する」というところでしょうか。そんな思いが強くなるのが、菅原文太と免許皆伝の達人たちによる『ほとんど人力』です。

 前の駐中日本大使の丹羽氏との対談に関心があり、尖閣諸島をめぐる渦中の人のひとりが、制約はあるにしても、どんなことを語るのか興味がありました。日本国内の政治状況をみれば、『インテリジェンス』についてのセンスが問われているのでしょうから。丹羽氏は「今の延長線上で(書中では「延長戦」になっていました)物事はすすまない。これから十年間、北朝鮮はこのままでしょうか。アメリカはいまのままでしょうか。沖縄の基地を必要とするのでしょうか。中国共産党は続くのでしょうか。そういうことを考えるには国際情勢全体を見ていかなければならない。」と語っていますが、文字通り、「国際情勢全体」を見渡す『インテリジェンス』の取得が不可欠になるということでしょう。
 意外なことに、本書を読んでいて、さらに興味深い人物に出会いました。このあたりが、この種の書籍のいいところでしょうね。それは、『種』にまつわる人物ですが、それは次回にお伝えします。


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