日本の『種は』大丈夫か? (前編)

人鳥堂の飯島です.意見は私個人のものです。


小雪 初候『虹蔵不見(にじかくれてみえず)』

 『小雪』ということで、「グアテマラ」にしてみました。かなりの程度納得の美味しさで、いただきました。冬ですから、湯温は高めで、といっても熱くては風味を損ないかねないので注意しながら。最近は、友人によれば、中南米の豆が人気ということですが、わかりますね。嫌味のない美味しい味でした。
 『くらしのこよみ 七十二の季節と旬をたのしむ歳時記』では、季節の野菜に『大豆』が挙げられていました。やっぱり『大豆』は野菜なんでしょうね。デパートの北海道物産展で「黒大豆」を購入、眼に良いポリフェノールがあるとかという謳い文句でした。朝晩、湯のみ茶碗一杯づつ飲んでいます。効果はわかりませんが、珈琲、緑茶等のほかの飲み物として飲んでいます。最近は、残り少なくなったので、検索したら、沢山出てきました。どこが良いのかはわかりませんが、豆を選ぶということでは珈琲と同じようなものでしょうか。そんな意識を持ったのは、次にご紹介する本との出会いがあったからですが、北海道産の黒豆ということでは『黒千石大豆』というのがありましたので、入口としてご紹介しておきます。
【北海道産 黒千石大豆(黒豆) 24年度産】まぼろしの黒豆!!A品 1kg

 さて、なんで、『種』が気になってきたのかといえば、それは、『種』には、「固有種」と「F1種」とがあって、特に「雄性不稔」という技術(言ってみれば不妊技術みたいなものでしょうか)を使って作られたF1種は次の世代の種を遺すことさえないということなどを、野口功著『いのちの種を未来に』、『タネが危ない』という本で知ったからでした。



バイオメジャーがらみのことは「TPP」ではどうなっているのだろう
 それは、前回ご紹介した本のなかで、菅原文太氏と野口氏が対談していたことがきっかけであったのです。「雄性不稔」という技術とそれに関連する問題については、本書を読んでいただくとして、私としては、次のような記述が気になりました。
 日本の種苗会社は遺伝子組み換えをやらないといっているにもかかわらず、平成13年4月3日の農林水産技術会議事事務局の公式プレスリリースによれば、雄性不稔遺伝子と除草剤耐性遺伝子を導入したカリフラワーとブロッコリーの解放系利用栽培計画の確認申請が出され、それが「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」に適合していることを確認したことが示されていると述べたあとに、著者は、「それにも増して不安なのは、バイオメジャーによる種子市場の寡占化です。」(『いのちの種を未来に』)と語っています。
 これまでに、商品化された遺伝子組み換え作物は、じつはすべて、スイスのシンジェンタ、ドイツのバイエルンアメリカのモンサント、ダウ、デュポンの5社によって開発されたものであり、この5社が世界の農薬市場の68%を占めていて、しかも、2004年には、世界種子市場で第6位のオランダのアドヴァンタ社がシンジェンタモンサントに、2005年には同5位だったアメリカのゼニス社がモンサントに買収され、遺伝子素材の確保と遺伝子組み換え種の販売が一体として組み立てられているということを知ると(前掲書)、作物だけでなく、『種』の問題も、実は「TPP」で扱われているものやら、いないものやら、どうなっているのでしょうか、心配になってくるのでした。
 食べ物が基本、食いしん坊であるからこそ、もっと関心を持つべきだと、本書を読んで思いました。(後編に続く)


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