日本をめぐる”雪下出麦”は?

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

定点観測・東天

元旦から、東京は穏やかな天気が続いています。

冬至『雪下出麦(ゆきわたりむぎいずる)』
一面の雪景色、降り積もった雪の下で、春を待つ麦はもう芽吹き始めています。旬の魚は「甘海老」私はともかく、家人は好みのようです。旬の果物は「金柑」ですが、なぜか金柑というと明智光秀を思い浮かべてしまうのです。
珈琲はマンデリン、とても私とは相性がいいです。

”米・中連携”の可能性を考える
 昨年の終りに近く、これからの世界情勢を考える上で外せないと思われることが、二つありました。
 ひとつは、中国の防空識別圏の設定を巡る、日・米・韓のスタンスの違いです。特に、民間航空機のフライトプランの提出を巡る日本と米・韓の対応に違いがでてきたことです。
 そして、もうひとつは、安倍首相の「靖国参拝」に関する米国の、「失望した」というコメント、その後の米有力紙によるある種あからさまな非難でした。これまで考えていた日米関係の文脈とは違うという印象を受けました。というわけでもないのですが、タイトルのミスマッチが中身でどのように解消されているのかという興味で読んでいた、青木直人著『安倍晋三が第2の田中角栄になる日~「米中同盟」という国難』を、改めて開いてみました。


 本書の基本は、「米中同盟」ですが、かつてのニクソン・キシンジャーの外交と田中角栄の資源外交がクロスするなかで、田中が失脚していった底流に米国の石油メジャーの存在があったとする見立ては、当時からありましたが、田中と安倍のミスマッチと同じように、ニクソンオバマのミスマッチも、米現実外交という中では、あり得ることとして、読み解けるのでしょうか。よく見ると、米国、中国、ロシア、日本、主なプレーヤーはどちらも同じで、外交戦の舞台もアジアと、変わらないことに気付きます。いずれにしても、今年は、TPP、オリンピック、成長戦略、福島原発事故のいずれもが、グローバルな関係の中で、つまり、外交と安全保障の枠組みの中で、一定の解決と前進が求められる時になっているということでしょう。

 そこで、あわてて、大嶽秀夫著『ニクソンとキッシンジャー - 現実主義外交とは何か (中公新書)』を手にしました。

 「アジア回帰」をあらためて強調した「オバマ政権の韓国防衛戦略に垣間見られる」姿勢は、かえって、アジアでの米国のプレゼンスの弱体化を示したというのが、「インテリジェンス」の専門家の、もっぱらの見立てになっていること、そしてその見立てが妥当だということが、誰の目にも明らかだと言えるのではないでしょうか。そこで、さらに、アメリカがどのような手を打ってくるのか。「インテリジェンス」の重要性を改めて思い、中長期の時間軸で様々な社会現象を読み解く必要が、特に、今年は必要ではないのか、と、黒豆をたべながらの夢想でした。