「安倍首相の背景」その2の前に

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

定点観測・東天

 今日は曇り空。それでも物悲しさが少ないのは、春に向かう流れが感じられるからでしょうか。

大寒 『鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)』

 二月に入って、寒暖の差が激しい日が続いています。テレビで千枚漬を取り上げていました。体は食べたものからできていることは間違いないとすれば、食べたい物をたべ、飲みたいお茶をのむ、そういうことができたら、本当に好いなと思います。珈琲はエチオピア、なんと、時間の関係で、スタバで買ってしまいました。

こういうアメリカについても知っておいてから『日米同盟』の問題を考える

 ケーブルテレビにしてから、「FOX」や「AXN」で、アメリカのドラマを見る機会が増えました。面白いということと、犯罪捜査などで使われる最先端の技術や、何が社会の問題とされているのかなどが、全米視聴率トップといわれる番組からうかがえるという興味が尽きないからです。
 特に、アメリカの法律事務所や、グローバル企業の行動、そして、巨大な捜査機関の能力と問題点など、まさに、アメリカの一断面と感じます。「安倍首相の背景を知る」その2は、スピーチライターの谷口智彦氏の編訳書を取り上げますが、その前に、現代アメリカの一断面を知っておくことは、直接の関連はさておき、冷静な見方につながる気がします。

「心の病」もアメリカ発?

 心の病、たとえば「摂食障害」などは、地域文化の特性による傾向が見られたものが、いつの間にか、同じように扱われ、「うつ病」についても、メランコリーに親和性のある文化の国に、いつの間にか、アメリカ型の診断と治療が流れになってきているなど、そして、『トラウマ」の認識と治療も。その背景には、巨大製薬会社の存在があるという指摘をしているのが、イーサン・ウォッターズ著『クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか』です。

 昨今の、血圧の薬に関する臨床データの問題などの経過をニュースで読んだりすると、あながち、ない話でもないのではという気になってきます。

秘密とするから秘密は増える

 9.11以降テロとの戦いという大義名分のもとで、1200を超える「最高機密」を扱う政府組織が立ちあがり、25万人以上の従業者と、政府から業務を請け負う民間会社の人員まで含めると、85万人以上の人間が、「最高機密」かかわっている、と指摘するのが、デイナ・プリースト&ウィリアム・アーキン著『トップ・シークレット・アメリカ: 最高機密に覆われる国家』です。

 秘密や最高機密があまりにも多くなったら、それはかえって、国家の脆弱性を露呈することにならないのでしょうか。元CIA職員で、民間会社の社員だった「スノーデン問題」をニュースで見るにつけ、そう思えてなりません。本書も、語っています。「今日のように、気がつかないあいだにたくさんのことが他人に知られてしまう時代では、政府の形態を維持し他国との関係を保とうとして秘密に頼れば頼るほど、ひとたび秘密が暴露されればその国は政治的混乱に陥る脆弱さがかえって増してしまう。(中略)秘密への強迫観念的な依存は、かえってアメリカという国を危うくしている」と。そして、不正行為の隠蔽だけでなく、意図せずに民主主義を、守るべき民主主義、個人のプライバシーと権利の上に成り立つもののはずである民主主義を傷つける結果になっている、と指摘しています。
 あまりに機密が増えすぎて身動きが取れないこと、そのほうがリスクを高めているのではないでしょうか。本当に秘密指定が必要な情報は何か、よくよくの検討の前提に、リスク評価が必要でしょう。


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