「同盟」について知る

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

定点観測・東天

 予報通り、雪になっています。降っているときは、かえって気温は下がらないと、子供のころに聞いた通りですが、それでも鬱な空から雪が降って、この週末も東京に限らず大変でしょう。

立春 『魚上氷(うおこおりをいずる)』

 蛇行した偏西風のおかげで、七十二候とは異なるような天候が続いています。珈琲はマンデリンになりました。落ち着いた味わいです。最近、野菜としては毎日、ブロッコリー、カリフラワー、トマトを食べていますが、案外プリン体の量はあるのです。おかげさまで尿酸値は正常範囲に戻りましたが、目に付いた書籍でも、野菜のプリン体については、それほど気にしなくてもとありましたが、「痛風」に悩む人も多いようで、こんな本を見つけました。
 大山博司監修『尿酸値改善のためのプリン体まるわかりBOOK (Sanctuary books)』は、痛風予備軍必携とうたった、450品目以上の食品のカロリーと塩分、プリン体量が一目でわかるカタログ本ですね。

 外食メニューに対応して、外食編からコンビニ、スーパー編まであります。また、尿酸値改善への取り組みや、食材別の使いやすい分量一覧など、コンパクトですが、なるほどという知識が盛りだくさんです。
 まあ、こんな食品にはこれくらいのプリン体が含まれているのか、とわかってみるのもいいのではないでしょうか。

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「安全保障」における黒子の人々?
 予想通りに、安全保障をめぐる議論が活発になってきました。かねてからの懸案でした、安倍首相のスピーチライター、谷口智彦氏の著作を取り上げたいと思います。谷口智彦編訳『同盟が消える日―米国発衝撃報告』は、「外れてしまった期待をどうする」と題する米国シンクタンクが発表した小冊子を入れ子にした、谷口氏の解説と、おそらく、現政権での、経済政策での浜田氏のような役割を果たしているのではないかとひそかに想像している、黒子に徹していると思われる三人の外交と安全保障の実務のプロの方々の座談会から構成されています。
 

2000年に出た『ナイ・リポート』が、英米同盟を範として、大西洋での最も頼りになる同盟相手が英国であるように、日米同盟は、太平洋においては、それは日本でなくてはならない、としたものであったのに比べ、本書で取り上げrているリポートは表題が示すように、そうした期待がものの見事に外れ、それでは、どのような選択肢に、日米同盟が直面しているかを、軍事的な実務を承知したプロにより書かれているという特色を持っていることが編訳者により語られています。
 日米同盟について、有名な「ビンのふた」論の時期に触れた冷戦前期から、冷戦後期からその終焉後にいたる歴史的概観の中で、「集団的自衛権」や、防衛ガイドラインの策定などの動きを踏まえ、分析評価が行われています。詳細は本書にあたっていただきたいところですが、日米安保と日米同盟の差異についての認識とともに、「米日同盟に関する議論とこれを強化する手段、たとえば新たな課題、新たな軍事的能力、新たな組織などが近年さまざまに論じられてきた。これに対し本リポートは、米日同盟を「強化」するために最も有効で、また最も必要でもある手段とは、同盟がその当初に意図した目的、すなわち日本の防衛に役立つものとすることだと指摘したい。」というリポートの認識と、本リポートに対する日本の主要マスメディアの等閑視ぶりを指摘した後で、「理由はなんであれ、主要メディアのどこも、何も書かない結果として、いま日本の要路にある人たちは、日米同盟をめぐる本質的な問いがとびきりの「ハードボール」として、米国から飛んできていることを気づいてすらいないのである。実に気の抜けた話だ。」という編訳者の言葉を合わせて、安倍首相の「使命感」の寄って来たる所を、是非を異にするそれぞれの側も承知しておくべきではないかというのが、読後の感想でした。



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