また、いつか

人鳥堂の飯島です。意見は私個人のものです。

定点観測・東天

 いかにも冬に逆戻りのような空と雲の様子です。週を超えると、春めくという予報ですが、そうであってほしいです。雪害にあわれた、そして今もその中におられる皆様にこころよりお見舞い申し上げます。

雨水 『土のしょう うるおい おこる』
 旬の果物は「苺」とか。思うと、雪害がまた想起されます。
 今日の珈琲は、ドミニカ・カリブ、野性味はあまり感じません。


「また、いつか、きっと会おうな」

 あれこれ考えずに、読んでみる本というのはありますね。本書、佐藤利明著『寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま』を見かけたのですが、当然、手にとって、読みますね。

 『寅さん』の映画は、同僚だったトシちゃんが好きだった映画です。私といえば、好きな映画は、『東京物語』と『唐獅子牡丹』でしたが。四つ違いのトシちゃんは、『男はつらいよ』の第1作が公開された1969年には25歳、私が21歳ですから、なんとなく時代反映の部分もあったのではないでしょうか。
 地下鉄の運転手だったこともあったトシちゃんには、『寅さん』の景色に似合うものがありました。そういえば、関係はないでしょうが、著者も『利明』で、漢字は違いますが、同じ名前です。BS放送でも、土曜日には映画が放送されていますが、いまこの歳になって、全部ではないにしても、嫌いじゃないなと思います。筆者によれば、最近は若い女子のファンも増えているのだそうです。最終作から間もなく20年になろうかとしているのですから、若い人には、過去を懐かしむのではなく新たな体験として『寅さん』があるのでしょう。映画を見ると、日本の原風景のような各地の、懐かしい景色が、画面を流れていきます。
 なにとなく、寅さんのことばと、あれこれを綴った本書は、理屈で疲れているときには特別いいです。トシちゃんの「奮闘努力」は、同職の私が知っていますが、映画のように、私と同様、そのまま受け取ってもらえないことも多かったのでした。
 本書の寅さんのことばに、「しっかりやれよぉ。また、いつか、日本のどっかで、きっと会おうな。」というのがありました。トシちゃんもきっと、あのときそう言っていたんじゃないか、「また、きっと、会おうな。」って。



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