『ホット・ゾーン』、いまそこにある危機を読む
人鳥(ぺんぎん)堂の飯島です。意見は私個人のものです。
穀雨 第十八候『牡丹 華さく』
少し肌寒い感じで、のどの痛みがぶり返しそうです。旬の野菜の蕗は好物です。しゃきしゃきした食感が、煮物にしても残っていることが命でしょう。
今日の珈琲は「メキシコ」。先日は「トラジャ」とブレンドしてみました。意外とおいしく感じました。
人間の眼球を好むウィルス
なぜか、こうした表現を読むだけで眼が変になったような感じがします。
本年3月末に、「エボラ出血熱が西アフリカ・ギニアで発生、100人を超える感染が疑われ、死亡者も70名に達する」というニュースが流れました。そして、その後、事態は沈静化しつつあるというニュースがあって、最近CNNのニュースではhttp://www.cnn.co.jp/world/35046985.html深刻な事態が報道されています。詳しい報道がほしいところですが、一方で様々な憶測も流れたり、ことがことだけに、考えられる混乱の事態です。
エボラ出血熱については、リチャード・ブレストン著『ホット・ゾーン』が、1989年10月、突然アメリカのワシントン近郊のレストランにあるモンキーハウスに出現した、エボラとの戦いの全貌を描いたノンフィクションとして知られています。
訳者あとがきの冒頭には、「その謎めいたウィルスは、なぜか人間の眼球を好むという。」とありますが、それから、1992年には日本でエボラが疑われる男性が死亡したり、1995年にはザイール中部でエボラ出血熱で100人以上が死亡するなどの流行がありました。
まさに、本書の結語でブレストンが述べているように、「かつてエボラはこの中の部屋に出現してその本性を剥き出しにし、飽食した末に、森林に退いていった。いつの日か、それはまたもどってくるだろう。」ということになりました。
そして、この言葉は、いつまでも、現実になるの力を持ち続けるのでしょうか。そして、変異を続けるウィルスとその謎、人類との関係に言い知れない恐ろしさも感じます。いま、ギニアで流行しているエボラは、エボラ・スーダンなのかエボラ・ザイールなのか、エボラ・レストンか、エボラ・アイヴォリー。コーストなのでしょうか。それとも、それらのうちの変異種なのでしょうか。いまのところ、ニュースでは報道されていないようです。そして、エボラの危険性は、突然変異を繰り返してその性質を変えていくことにあると、本書の時点で著者は警鐘を鳴らしているということを忘れないようにしようと思います。
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