普通だから楽しい文房具の本を読む

人鳥(ぺんぎん)堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

穀雨 第十八候『牡丹 華さく』

 まぶしいほどの晴天です。今日はまだ人ごみもそれほどではないように思います。
 今日の珈琲は「メキシコ」です。


いま使っているものだからこその「文房具」本

 「思い出」の道具であり、「憧れ」の道具という、著者の言葉は、まったくそのとおりと思いますね。私も、高校時代に使っていたセーラーの万年筆や大学時代のパーカー45については、はっきりと覚えています。
 名刺入れは今では使う機会がぐんと減りましたが、好いものを持ちたい誘惑は、今でも変わりません。
 木村衣有子著『わたしの文房具』は、ごく普通に、楽しい文房具の本だというところに、価値があります。



 世界で数えるほどしか生産されていない限定品やヴィンテージものなどは登場しません。よくあるものではあっても、ちょっとしたセンスがたまらないというのが、好いのです。
 「使っているうちに気が変わって、たまに途中で放り出してほかの新しいノートをおろす。しかし、のちに飽きたはずのノートを取り出して途中から使い始め、やっぱりいいノートだ、など思い直したりもする。」という「揺れ」も、近しい感覚です。
 第2章で登場する「文房具と人」のナガオカケンメイさん(著者の表現に従ってこう書いておきます)の「メモ帳とボールペン」は、楽しいことが書いてあります。本筋から外れますが、ナガオカさんが創刊した雑誌のことが書いてありましたが、Amazonで調べたら、『d design travel KAGOSHIMA』が出てきました。コンセプトは『d lomg life design』から引き継がれているものもあるようです。Amazonでたどると、いろいろ出てくるのはナガオカケンメイさんらしいところ。 


 こうゆう、寄り道的発見がある本が楽しくていいです。データは発行時のものですから、注意も必要ですが。
 

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