『空の辞典』をひく

人鳥(ぺんぎん)堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

穀雨 第十八候『牡丹 華さく』

 今朝は少し気温が低いようです。
 今日の珈琲は「ペルー」です。淹れ方の工夫をしてみたいと思いました。


「空」の名前を知ろう

 見上げる空に、名前があることを知り、それを知っていることで、ちょっと得した気分になることがあります。小河俊哉著『空の辞典』は、雲、風、雨、雪、霧、光、色のそれぞれで、「空」を中心に名前が示されています。



 本のデザイン、つくりも洒落ています。(ただ、私的には、もう少し文字が大きいと)。著者は、クラシックカーや自然についての写真で知られるフォトグラファーです。『エンゾの写真館』http://enzz3121.exblog.jp/と、『空ばっかりの写真ブログ』http://oozorayo.exblog.jp/は楽しめます。

 むかし、駅前のカメラ屋で、毎日のようにクラシックカメラを覘いているいるときに、やはり店に来ていた青年がいて、寝転んで空の写真だけ撮っていると言っていました。彼は、絞りは無限大で撮っていたと聞きましたが、写真は見たことなかったです。いつしか、その店からも足が遠ざかり、青年ともそれきりです。

 何かの折にふと見上げた空の、「おおっ、これは、”アブラハムの樹”(本書、P101)だ」と内心で声をあげたときに、ちょっとばかり感じる「知ってるもんね」みたいなものが、幸福感を増幅してくれます。
 人は、遥かな地平の果てを眺めたいという本源的な衝動に突き動かされて、伸びあがることで直立したという説を、「そうだろうな」と思っているのですが、それと、空を見上げる心の動きには何か関係があるようにも思えます。結ぼれた心が見上げた空の広さに開かれていく、そうゆう体験は、誰も持っているに違いありません。

 最近は、夕焼けよりも夜明けを、さらには日中の空と雲が好きになっています。


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