『猫』の本を読む

人鳥(ぺんぎん)堂の飯島です。意見は、私個人のものです。


立夏 第十九候『蛙 始めて 鳴く』

 立夏、生きものの活動が活発になる時期です。春の、なんとなく朦朧とした、けだるく眠い心地よさから、しゃきっとした活動的な夏へ向かう時期ということでしょう。でも、今日は、4月下旬の気温ということで、なんとなく春に逆戻りしたような天候です。

 今日の珈琲は「ペルー・メキシコ」のブレンドです。


『世界猫歩き』が癖になる

 BS放送で、「おはようございます」で始まる、岩合さんの『世界猫歩き』という番組を見る時間ができる生活になり、子どものころに強烈に引っ掻かれた記憶しかない猫について、少し共感する自分ができてきました。それまでは、家に入ろうとして、階段にたたずむ猫と目が合い、どちらもぎょっとした経験や、夜道で、写真のように出くわした猫は、思わず写真を撮ってしまうほど、よそよそしい、珍しい奴に見えていたのです。
 そうしたら、本でも、出会うことがあったのです。ほかの本で関心のあった筆者に猫の本があるのを知って手に取ってみると、これは、いままでの、ちょっとねという感じとは違う、距離感において、絶妙な、猫の本でした。木村衣有子著『猫の本棚』がそれです。


 「猫のお話を読み解く過程を、ひたすら書き記したものです。」という本書は、28の猫にまつわる作品が取り上げられています。小説だけではありません。岩合光昭『ネコを撮る』についてもあります。そこで、「おはようございます」という岩合さんの挨拶から始まっていることの意味を知りました。なかでは、ポール・ギャリコの『猫語の教科書』についてが、とても面白く感じました。もちろん、夏目漱石吾輩は猫である』も取り上げられています。そっけない猫の扱いについて、「こちらに届くのは、猫という動物の魅力ではなくて、人間の面白さ」なのだから、この場合「仕方ない」というのは、そうだろうと思いました。


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