懐かしさにはわけがある

ぺんぎん堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

小暑 第三十一候『温風(あつかぜ) 至る』

 台風の被害、心よりお見舞い申し上げます。


”過剰”な装飾にみる文化・文明

 シボレー・インパラとかキャディラックとか、ビュイックとか、『サンセット77』とか、『サーフサイドシックス』とか、いろいろな言葉が頭をかけめぐりましたね。バスを待っていたら、この車が現れました。
 スタイルもカラーも、あのときの『アメリカ』そのものです。
 
 さて、高橋善丸著『レトロな印刷物 ご家族の博物紙』です。



 「印刷物から時代と文化を検証しよう」という狙いをもって、家族という切り口で、ターゲットユーザーの見極めと絞り込みを果たす構成にするなど、本書は単なる懐かしの広告印刷物を集めた本ではありません。「時代とともに技術は確実に進化を遂げていきますが、感性は進化するとは限らなく、二千年以上前のギリシャ美術や日本の琳派の感性が今の美術より劣っているともいえません。」と語る著者です。もともとは希少な価値のない、量産機械印刷物であったものが「時代を経て残ったことに希少価値が生まれてしまったのです。」とありますが、この皮肉な結果は、いろいろと示唆するものがあると思います。
 まあ、そんなことより、かつて、生活の一場面で見たことのある、当たり前で気にも留めなかったものを、改めて見直して、ちょっと考えごとにふけってみるのも好いのではありませんか。

 それと、著者とは別人だと思いますが、私の高校時代の同級生に同姓同名の友人がいたので、それもびっくり。彼は、画家の息子だったと思います。


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