『13日間 キューバ危機回顧録』を読む

ぺんぎん堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

大暑 第三十五候『土 潤うて むし暑し』

 昨日今日は、三十度を超える真夏日だというのに、凌ぎやすく感じるのは、日曜日までの暑さがあまりにも酷かったからでしょう。電車のつり革に蜻蛉がとまっていました。まだ胴体はシオカラ蜻蛉の色のままです。

 今日の珈琲は、「キリマンジャロ・ブラジル」のブレンドです。適温で淹れることが肝心と再確認の日々です。チョコレートに似た感じの味わいがありました。


『他国の靴』をはいてみる

 ロバートケネディ著『13日間 - キューバ危機回顧録 (中公文庫)』は、本書によれば、ふたつの問題(ボリュームと時期)によって、彼の死後、1968年10月22日に「マコール誌」発表されました。
 

 本書は、今年の4月、中公文庫で改版発行されました。その時期には、相当の理由を感じます。
 ウクライナやガザ、シリアの言葉を失う出来事や、東、南シナ海の緊張をかんがえると、本書を今読むことの大事さを否定できません。
 「キューバ危機の究極的な教訓は、われわれ自身が他国の靴をはいてみる、つまり相手国の立場になってみることの重要さである。」と終章で著者は語っています。しかし、私たちが生きているこの時代では、同時に、巻末解説の「本当に重要なのは、相手の靴が合うかどうかだ。」という指摘の重みも、承知しておかなければならないでしょう。「たとえば日本の下駄・草履という履物もある。中国や韓国も各々に伝統的な履物がある。相手の靴が合わなければ、相手の立場も正確には理解できないことになる可能性があるのだ。」という、土田宏城西国際大学教授の解説は、本書を今読む理由の一端をそれとなく示しているのではないでしょうか。
 オバマプーチンの両大統領は、キューバ危機の際の、ケネディー、フルシチョフのような役割を果たすことができるように期待せざるを得ません。また、「何よりも大きな危険は誤算ーー判断を誤ることだ」というケネディー大統領の危機のさなかの言葉を、私たちも知っておくべきでしょう、何かのときのために。


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