角度は違いますが、こころがほぐれる二冊、です

ぺんぎん堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

処暑 第四十二候『禾(こくもの) 乃(すなわち) 登(みのる)』

 今年は、丸ナスのおいしい食べ方を教えていただいたので楽しんでいますが、昨今の野菜の高騰には困っています。かつて、東京都が生鮮食品、特にキャベツの安定確保に苦労した時期があり、妻恋のキャベツ確保のことなども思い出しました。
 今日の珈琲は、「ブラジル」です。


ホットする処世訓の効用

 自己啓発の本で余裕のない人は、ホッとして、希望がわいてくる気がすると思います。外山滋比古著『リンゴも人生もキズがあるほど甘くなる』を、味わって読むと、じわっと、人生の旨みがにじみ出てくる気がします。




 「キズのついたリンゴ。なんとかそれをかばおうとして、力を出すのであろう。無キズのリンゴよりうまくなるのである。キズのないりんごだってなまけているわけではないが、キズのあるリンゴのひたむきな努力には及ばないのか。
 人間にも似たことがある。」ということです。
 太陽暦型人間と太陰暦型人間のことや、仕事ができる人ほど暇があるとか、逆説に聞こえて実は当たり前のことを語っていたりと、実にこころ休まる処世訓がちりばめられています。
 しかし、「船頭多くして 船 山に登る」について、現代の若者のなかでも秀才が、「船頭が多くいたから船が山に登ることができた」というような理解を示したということは、「オイオイ」ですが。


こういう”京都案内本”もありですか?ハイ。

 

 スクエアーのフォーマットで写真を撮りたくなる本です。そこで、私も、スクエアーでパチリ。
 「作者の書いた「各作品の名シーンと、サカネユキ氏による抒情的な写真の共演。そして、現実と妄想が螺旋を描いて交わる、」随筆二編を収録した、森見登美彦著『森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)』を手にとると、こういうつくり方もありなのだ、と思いました。


 
 筆者については今さらですし、私としては、競演している写真家のほうに興味を持ちました。サカネユキ氏は京都の洋館などを撮った本などもある写真家だそうですが、本書では氏が撮った写真は、スクエアーフォーマットのものがほとんどです。ハッセルブラッドかしらなどと思いましたが(まさかローライフレックスということはないと思うのです)。それに、もうひとつ気がついたのは、逆光をうまく使って、あたかも現実の景色に夢の世界が少し侵食してきているような写真が(「東華菜館」など一部をのぞいて)ほとんど(夜景はすでに夢が同居する景色です)だということです。
 そこで、フォーマットにこだわって私も写真を撮ってみたのですが、それはともかく、楽しめる本でした。



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