「モデナ産のバルサミコ酢」の誘惑

ぺんぎん堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

大雪 第六十二候『熊 穴に 蟄る』

 大雪のニュースが流れる中、不条理におもえる晴れた空です。
 旬のさかなは『海鼠』ですが、海鼠というと、脈絡なく、「とり落としとり落としする海鼠かな」という句を思い出します。
 今日の珈琲は「モカ・イリガチェフ」、確実に大地から生えた植物の、有機的な匂いが「安心」な想いをもたらします。

バルサミコ酢』とはなにか?

 中野駅近くの「ミドル」でランチをとったとき、出てきたサラダにかかっていたのがなんであるのか聞いたときに、マスターが「うん、お酢だけ」と教えてくれました。塩分控えめにしている私のための、特別な計らいでしたが、その「お酢」は、ワインビネガーでした。
 さっそく、自分の朝食のサラダにもとりいれようと思い、どうせなら、ワインビネガーと、以前に使おうとして使い果たせなかったバルサミコ酢について、どっちかだなという軽い気持ちで、輸入食品を扱っている店舗で壜を手にあれこれ見比べているうちに、やはり、ここは、一度ちゃんと調べてみようということに決め、書籍を探したところ、一冊、バルサミコ酢の本を見つけました。それが、レオナルド・ジャコバッツィ著『バルサミコ酢のすべて』です。



 この本は、料理に関する本ではなくて(少しだけレシピが巻末に紹介されてはいますが)、そもそも『バルサミコ酢』それも、モデナ県産のそれとはいかなる歴史が秘められたものなのかを、当事者のことばを借りて語ったものであり、一族の挑戦と冒険の物語でもあります。

 そして、私が知ったことは、二つのバルサミコ酢があること、ひとつは「モデナ産の伝統的なバルサミコ酢」、そしていまひとつが「モデナ産のバルサミコ酢」であることを知るのでした。もちろん、私が日常的に味わえるのは、「モデナ産のバルサミコ酢」であることは論を待ちません。
 先日、木樽で三年熟成させたという『モデナ産ブドウ」を使ったバルサミコ酢を、極めて手軽な価格で手に入れました。これは、違うのではと思いつつも、それまでの、単なる「バルサミコ酢」とは明らかに違うまろやかなお酢に、「モデナ産のバルサミコ酢」への想いは強くなる一方です。
 


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