『意識』が表出される絵画の悦楽

ぺんぎん堂の飯島です。意見は、私個人のものです。

立春 第三候『魚 上氷(こおりをいずる)』

 早いもので、立春も第三候に入りました。それでも昨日の寒さ、寒風は冷たかったですね。
 今日の珈琲は「モカ」でした。お湯の温度が高すぎたようにも思いましたが、まずまずでした。


『混在した時間が同時に顕現している空間』の不思議な愉悦

山口晃という作家は、素朴な意味での『画家』というよりも、思考の域にまで高められた設計者ーある意味、建築家がそうであるような意味でーであり、精巧極まりない模型製作者であると考えているのである。」という解説、「日本橋三越の店内が多くの買い物客でにぎわっている。行列をつくる人々は中世の武士がいたと思えば、明治ごろの着物姿の女性、または今風のファッションで着飾った人たち。そう、ここは山口晃が描く時空を超越した架空の空間なのである。過去から現代まで混在した時間を同一空間に描く山口晃の都市俯瞰図と出会うたび、見る者は違和感を覚えるどころか特別なタイムマシンで旅をしているような錯覚を覚えて愉快な気持ちになる。」という、もうひとりの解説、山口晃の『山口晃 大画面作品集』の作品を眺め(大きいので結構重たいです)、ご本人のコメントとこれらの解説を読んで、増田悦佐著『城壁なき都市文明 日本の世紀が始まる』のカバー絵に『奨堕不楽圖』(部分)を撮影したものが使われているのかが、子トンと腑に落ちたといいますか、納得でした。



前にも取り上げたことがあっちょうな記憶もありますので、増田氏の著作は、『U.R.Iレポート』http://d.hatena.ne.jp/kin-ichi/で取り上げる予定なのですが、まずは、この作品集へと手が伸びたという次第です。
 むかし、大山崎の美術館に行ったことがありましたが、それ以来の気になる画家なので。


解毒作用も必要で、それにはこの絵でしょうか?

 不思議な区間の愉悦の呪縛から解放されるには、こうした絵がもってこいだと思うのです。それが、ミロコマチコの『けだらけ: ミロコマチコ画集 (単行本)』です。こちらも、以前から気になる作家です。


ただ、作品を眺める。これに尽きるのですが、楽になれるところがありますね。

ということで、今回は、衝動的に二冊の本を取り上げてしまいました。

 



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