食べ物の本は楽しい

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

春分 第十一候『桜 始めて開く』

桜の季節になりました。朝方には光が射していて、しかし、花曇りになり、夕方近く雨になりました。
今日は、エチオピアモカにブラジルのブルボンをブレンドしてみました。


 千枚漬けについて調べていたら、面白いサイトを見つけました。http://vegetable.alic.go.jp/panfu/kab/kab.htm。それによると、カブには「かぶらライン」というのがあることを知りました。関ヶ原を境に、(カブの世界も天下分け目の関ヶ原なんだ)、愛知県と岐阜県福井県を結ぶラインで、品種が大まかに分かれているというのです。
 まるで、ホッサマグナ、日本構造線のようです。この線の東側が西洋型、赤カブ、左側が日本型のかぶらだそうです。いろいろな地方のいろいろなかぶを食べてみたいですが、かぶは原産地が、地中海東部と、アフガニスタン及びパキスタンの二か所と考えられていることを教えてくれた本がありました。

庭は何のためにあるのか?

 それが、レベッカ・ラップ著『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法 上: 世界を変えた20の野菜の歴史』、『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法 下: 世界を変えた20の野菜の歴史』です。


  
 
 
「庭は何のためにあるのか?」という問いに対する答えについて、理由はともかく、「アメリカの半数近くの家庭でやさいは作られている。ではこの四三〇〇万もの家庭菜園でどんな野菜が栽培されているかというと、断トツの人気を誇るのはトマト。」だそうです。全体では、金額ベースで210億ドルにもなる収穫量に達するそうです。
 この変わったタイトルの本の著者は、児童文学者で、細胞生物学、生化学で博士号を取得しているが、多彩な著作があるそうですが、他には知りません。取り上げているのは20種の野菜で、アスパラガス、インゲンマメ、ビーツ、キャベツ、ニンジン、セロリ、トウモロコシ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、タマネギ、エンドウマメ、ペッパー、ジャガイモ、パンプキン、ラディッシュ、ホウレンソウ、トマト、そしてカブの20種です。
 この本を読んで面白いと思ったのは、通念で野菜は体にいいということと同時に、「マイナスの成分が含まれている」という当たり前のことを思い出すということです。
 いずれにしても、食べ物の本は、面白いものが多いということでしょう。本書はアメリカ人向けに書かれているということですが、日本人に向けて書かれた、意欲的な本もあります。
 「あえて今、『誰も食べたことがない料理を創る』ために、和食の正しい知識・技法・味わいなどを分かりやすい数値やデータを用いて解析する、革命的な一冊!」という触れ込みの、高橋拓児著『和食の道 未踏の美味追求のために「和食を科学する」』です。



 著者は、京都「木乃婦」の三代目主人、「料理人は、職人気質と作家性の両方の資質を持っていることも必要です。」と語りますが、こちらは食べる側ですので、おいしくいただけばいいのではないかとも思いますが、「おいしさ」には、五感だけでなく、第六感にかかわる、物事の理解や気づきのようなものが、深い味わいを生むとも思います。それをさらりとできたら、味わう力も増していくと思いました。



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