まずは身近な美術館からはじめよう

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

霜降 第五十二候『霜 始めて 降る』

 よく晴れていますが、風が冷たくなりました。いよいよ秋深し、という気配です。気の早い人は、早くも冬の足音が聞こえてきたようにも思うかもしれません。
 今日の珈琲は、「モカ・マタリ」でした。


芸術の秋でなくても、美術館に行ってみよう

 まして、今は芸術の秋でもありますから、美術館に足を運んでみたいですね。そこで、「『今日は暇だから、ちょっと美術館へ行ってみようか』なんて、いいじゃないですか。とくに用事がなくても訪れられる、一日中居ることができる、新しい美術館のあり方が現実のものになっているのです。」と説く本があります。
 きっと、世の中のすう勢で、時間ができた人が増えてきているからでしょう。


芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本藤田令伊 著)


 タイトルに、「芸術がわからなくても」とあり、さらに、サブタイトルには、「知識がなくてもできる教養の磨き方」とあります。まあ、ここで、芸術がわからなくてもというのは、あれこれ知識がなくてもというくらいの意味で、「わかる」テクニックが語られていることも読むとわかります。もっともそうじゃないと、意味ないでしょう。
 しかも、「いま、ビジネスの世界では、単純な知識より、見た映画やアート、聴いた音楽などから得られる『教養』が注目されています。」、ということで美術館というわけでしょう。しかも、カフェやレストランなども気合が入って充実しているというのですから。
 

金曜日の夜の美術館の効用

 「金曜日だけ夜の8時、9時まで開いているという美術館がけっこうあります。」というのですが、ゆっくり鑑賞するなら夜の美術館は、人気のある展覧会などには良いでしょうね。さらに、庭園が魅力の美術館もあります(こちらは昼間でしょうがね)。情報を集めるためのサイトも紹介されています。
 自分で感じることが大事で、そのためのちょっとした工夫に、本書のためになるところがあるのです。たとえば、美術館でもらったパンフレット、捨てずに持ち帰って、日付を記入して、記録に残す、とか、常設展に注目するとか、3分間集中法とか。
 なかでも、「細かい部分をひとつずつ見ていく」というのは、これはと思いました。よく、「神は細部に宿る」とかいうのですから、絵画などについても、細部を丁寧に観ていくことが大事なはずです。そこで何かがみえてくるという体験を一度でもすれば、「わからない私」が、「感じられる私」に一歩踏み出したということなのでしょう。

 この秋、難しくなくて、ためになる、教養磨きはいかがですか。



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