面白いのは危ない

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

霜降 第五十四候『紅葉 蔦 黄ばむ』

 すっきりした秋晴れも今日までで、やがて天気はゆっくりと下り坂なんだそうです。昨日の薄雲がかかった朝の西空に比べると、今朝の方がきれいに晴れあがり、下り坂の兆候は感じられないのですが。
 季節の魚は「旗魚」だそうです。カジキのことですが、大きな背びれが旗のように見えることからそう呼ばれているようで、カジキマグロなどとスーパーで表示されていることもよくありますが、マグロとは違う魚種なんだそうです。最近もソテーでいただきました。肉質が加熱調理に向くというのは本当ですね。
 今日の珈琲は「モカブレンド」です。エチオピアモカを注文したら、店員が間違えて、モカブレンドを渡してくれたのでした。イエメンのモカ・マタリと比べてみようという試みは先に延ばすことになりましたが、ブラジルとモカを時どきブレンドするので、マツモト君の「良い豆が手に入りにくいから、モカブレンドじゃないと飲みにくいですよ」と言っていたことなどを思い出して、マタリと比べるのであれば、イリガチョフと比べないと不公平かとも思い直したりしています。


読書の秋とはいっても、危険な本もあります

 もちろん、危険という意味は、これだけはやらないとという、食事や身の回りのことを除いて、2番目くらいにランクされる仕事は後回しにして、没頭してしまうほど面白い本という意味です。
 睡眠不足になって、体にも悪いから、かなり危険でしょう。

 その一冊が、これです。

限界点ジェフリー・ディーヴァー 著)



 著者は、リンカーン・ライムやキャサリン・ダンスの活躍するシリーズで知られていますが、本書は、「人身警護のプロフェッショナルが主人公の新シリーズです。
 ぐいぐい引き込まれて、おかげで、本当は読まなくてはいけない資料も、棚積みのままです。
 AXNやFOXのミステリードラマで見慣れてきた、犯罪捜査や警護の描写に、頭脳戦の魅力にあふれ面白さ抜群、と月並みな表現になるほど面白いのです。「調べ屋」というのはターゲットを拉致して、拷問によって必要な情報を引き出し、その後殺害するというプロ。主人公と対峙する「調べ屋」はなかでも狡知に長け残忍な手法を使います。主人公の師に当たる警護官を惨殺したという因縁もある、という様々な要素が面白くないわけがないというように絡まっています。
 ちなみに、犯罪捜査の分野での師弟関係は、北欧ミステリーでもありましたし、普遍的な人間関係を示しているようにも思われ、仕事というものの学び方は東西でも同じなのかとも思いました。
 警護と同時に首謀者が誰なのかを絞り込んでいくプロセスにある逆転。危険な本書は、リスクを冒しても良い一冊です。


Amazonでどうぞ