わかれ道か出会う道か、Y字路

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

小雪 第五十八候『虹 蔵(かくれて) 見えず』

 本当に小雪でも降ってきそうな空模様です。でも、写真を見ると西空の雲がやや薄い感じがします。午後3時くらいから、雨の予報です。うらさびしい感じがしますが、元気に。
 旬の魚はシシャモだそうです。
 今日は、フェアトレードの珈琲を飲みました。しっかりした味です。少し冷めたときに、珈琲豆に含まれていた味がわかります。このときおいしいかどうか、味と香りでは、感じるの二よい温度が違うように思います。
 

Y字路のあやしさは、

 ”追分”という名称が残る地域と縁ができて、しばらく通っています。”追分”は、広く全国に分布した地名でもあります。団子にも「追分だんご」という名があり、民謡には「江差追分」というのもあります。「大辞林」をひくと、「道が二つに分かれる所。分岐点。各地に地名として残る。」とあります。
 ”追分”について、ふと思い出したのは、横尾忠則に『Y字路』の絵があったことです。追分もY字路もジャンクションも分岐点という意味では同じことでしょうが、しかし、少し違う印象を受けることも事実です。横尾の絵からは、『Y字路』のもつ、ただならぬ気配がたちのぼってくるようです。
 ということで、今回は、横尾忠則の画集です。


全Y字路横尾忠則 著)



 二股に分かれたそこに、飲み屋がある商店街を、駅のそばに知っています。本書を見てから、Y字路を意識してみるようになりました。
 本書の解説にあるように、「最初に体感させられた”不穏な精気”とは単に夜のまちの闇と光からくるのではなく、むしろY字路というものの不思議なトポスから醸し出されるものであるように思われる。」ということですが、しかし、よく見ると、夜の景色では、街路灯がともり、空には、妖しい光や雲がうねり、樹木はまがまがしい表情を浮かべているようにみえます。
 そして、横尾自身を想起させる、もろもろの後姿の人物や動物やら。一方で、それぞれに分かれていく道の、果て知らぬ行く先を思わせるのか、それとも、それぞれから見知らぬものがやってくるのか、不思議と怖さと違う感覚が、帰って懐かしい場所のようにさえ思わせます。
 グリッドになる”辻”よりも、Y字の”追分”は、まちに不思議な雰囲気を漂わせ、魅力をつくりだしているようにも思えます。



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