働き方にもうひとつの流れ「小商い」

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

立春 第二候『黄鶯(うぐいす) 睍脘(なく)』

 今朝は、雲が西空を覆っていましたが、よく見ると、うっすらと青空も見えていました。やがて陽が射してきたので、気温も上がるでしょう。上がり下がりの激しい気温の状態が続きそうで、体調管理には気をつけること。
 インフルエンザ流行の速度が加速しています。2月7日までの1週間に全国の定点医療機関を受診した患者数が、定点あたり34.66人と、警報レベルとされる30人を超えました。これは、流行入りから警報までの期間が、過去5シーズンで最短ということです。気温の寒暖の差が大きくなるという予報が出されていますし、乾燥の度合いも少し良くなるかもしれませんが、依然として、注意が必要でしょう。
 さて、今日の珈琲は、「ブラジル・ブルボンアマレロ・ボンジャルディン農園」です。ブラジルの豆は、モカに比べると、豆自体が柔らかい印象です。挽きすぎるとどうかということと、温度については、注意を必要とするように思いました。香りは、乳のような感じもあります。


”小商い”のちから

 暮らしを立てる、生業という考え方が、私の感じでは、一時、廃れたように思いました。大企業のビジネスマン戦士を目指すような。でも、最近は、就職しないで暮らす、とか、自分で暮らしを立てる、ベンチャーとかいうのではない、自営の仕事のあり方が、主流ではないにせよ、それなりに目に見える程度の、傍流になってきているように思えます。その流れが広がって、地域の仕事につながり、まちのちからになると、好循環なんですが。

 小商いで、特に最近注目されているのが、「出版社」という、業界だそうです。。


“ひとり出版社”という働きかた西山雅子 著)


 ここで注意が必要なのは、いわゆる、”脱力”的な働き方ではないということです。むしろその反対に、相当に頑張っている、でも、楽しいというような、懸命の姿勢が、”ひとり”あるいは、生業、小商いという働き方にはあるということです。

 本書の主題『ひとり出版社』ということですが、果たして、出版における「小商い」は可能なのか?こういう問題も立てて、取材が進みます。著者は、絵本の企画や編集、書評の寄稿、造本作家についての本などの著作がありますが、実は、ひそかに「ひとり出版社」という働き方を、自分の課題としてとらえてもいるようです。
 その前提が、「『小商い』と呼ばれるかたちで届けられたものやサービスが、私たちの生活を豊かにしています。自分の信じる仕事を、自らの責任で、信じる人々とのつながりを築きながら成立させようとするビジネス。それは、自分らしい働き方を実現するひとつの方法として、広がりを見せています。」という、認識でしょう。この直感は、間違っていないと思います。
 問題は、「ひとりで『こうやりたい』と思っても全部その通りにいかないし、仮にやれたとしても、それってあまりよくないと思う。」出版業の世界で、人とのつながりの中でどう仕事としていくか、それは、出版への志のありどころによって、少しずつ違ってはいても、よく考えれば、バランスの取れたこの判断は、出版の世界に限らず、生業、小商いで暮らしを立てることに共通の、あるいは、人がこの世の中で生きていくうえでの大事な知恵だと思います。
 人と人とのつながりが、「ひとり」を可能にするという逆説に、人生の妙味もあるのではなどと、柄にもなく思ってしまうのでした。
 


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