『モカ香』の秘密とは?

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

立夏 第二十一候『竹笋(たけのこ) 生ず』

 出勤に使う駅のホームから、こんな風景が見えます。念力でボールを動かせるか、ちょっと試みるのですが、まあ、当然、動きません。それでも、夜のうちに動いているかもしれないと思い、いつも、位置を確かめて、やっぱりね、と納得するのですが、なごみます。
 季節は早くも夏です。季節の草花は、スイトピーだそうですが、松田聖子の歌を思い出しますね。

 今日の珈琲は、「ケニア」です。なぜ「ケニア」にしたかといいますと、「カシス」の香りについて、「ケニアの高地産アラビカで時々出てくる香りです。」という一文に、ある本で出合いました。幸い、「ケニア」の豆を買っていましたので、早速、「カシス」の香りについて確かめてみたということです。
 「じつはケニア産生豆の成分組成には他の産地と異なる特徴がいくつか見られます。」ということで、コーヒーペプチドが他の産地の1.5倍近く含まれていること、有機酸の組成も、リンゴ酸の割合が高いのだとか、まさに、コーヒー豆は土地の産物であり、果物であるということを示していると思いました。イエメンからレユニオン島に伝わって生き残った1本の樹の子孫が「ブルボン」なんだそうですが、そのブルボンから選抜育種されたものが高品質だとか、いろいろ学べるのが、


コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)旦部幸博 著)




です。
 今日の一冊は、本書ですが、ここには、私の好きな「モカ」についても、モカ・フレーバーについての記述があります。「モカ香」の正体は何なのか、「エチオピアモカからラズベリー様の香気物質、ラズベリーケトンが見つかっていることが報告されています。ただしモカから感じるワインのような芳香は、それだけではないように感じていたのが正直なところです。」とあり、その謎解きの仮説が記されています。
 それに産地について、ハラーとかイリガチョフとか、グジとか、エチオピアモカについて知るべきことが多いことも知りました。
 そのほか、焙煎についてや抽出について、科学の目で見た分析は、おいしい珈琲を飲むためには、抑えておいたほうがいいと思えるものばかりでした。役立つコーヒーの科学だと思います。



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