『不正』の構造からみえてくるもの

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

小満 第二十二候『蚕 起きて 桑を食む』

 連日、真夏日が続きさすがにぐったりですが、今日は曇り空で、しのぎやすい気温です。旬のくだものはメロン。子供のころに食べた「まくわうり」や「きんこう瓜」なんていうのが、いまさらながらうまかったように思えます。
 今日は、珈琲は「トラジャ」でした。温度と豆の挽具合で味が微妙に変わる気がします。今日は、粗びきでやや高めの水温、短時間の抽出で。

選択と集中』の失敗が「会計不正」の引き金に?

 一昨日、東芝は資本金4399億円について、2399億円の減資を実施すると発表しました。これで、3月末におよそ4800億円に上る累損を一掃し、財務基盤の健全化につなげるとしています。これは、6月22日の定時株主総会の特別決議にかけられる予定です。減資で足りない分は、その他資本剰余金を2221億円取り崩すとしています。
 あわせて、2016年3月期連結決算を訂正すると発表しています。本年9月には、「特設注意市場銘柄」の指定解除を目指して報告書を、東京証券取引所に提出して審査を受けようということなのでしょうが、まだ、ウェスチングハウスの「のれん」の減損はこれで解決するのでしょうか?

 これからが、東芝の着地がソフトランでイングになるのかハードランニングになるのかの見極めの時期のように思えます。そこで、これまでの「東芝不正会計」事件の経緯と、その中で見えてきた問題点を整理して理解するために、この本を読んでみました。

東芝 不正会計 底なしの闇(今沢真 著)

 本書で指摘された問題点は、内部の対立、ウェスチングハウスの経営問題、監査法人の責任、ですが、残された謎もまた、この3点だというのが本書の結論でもあります。
 名門といわれる企業の『不正』が相次いでいます。それは、監査法人をも含んだ、日本の法人資本主義全体の制度疲労が底知れない闇を生み出しているということなのでしょうか?
 



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