ちはやふる

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

芒種 第二十五候『蟷螂(かまきり) 生ず』

 梅雨入りを予感させる空模様です。まだカマキリは見ていませんが、最近はやたら毛虫が道を横断していく姿に遭遇します。昨日は、帰り道で、ミカンの樹に大きな揚羽蝶の幼虫を発見しました。子供のころ、山椒の樹で見かけたものですが、鮮やかな緑と黒の衣装は、不気味というよりは美しいように感じました。
 今日の珈琲は、「カリビアン・チェリー」です。ドミニカ産だそうです。依然買っていたお店で、ドミニカ産の豆が入らなくなっていましたのでちょうどよかったです。大陸の珈琲と島の珈琲とでは、潮風に洗われるかどうかで、少し違いが出るような気もして、カリブ海周辺の島産の珈琲豆は、選ぶようにしていたので、ちょうどよかったのです。焙煎はやや浅めにしてもらいました。圧倒的な果物の香りが、豆を入れた容器から立ち昇ってきます。
水温はあまり高くなく、冷めかけてもおいしく飲めました。


謎に満ちた”百人一首”の面白さ

 「競技カルタ」がブームなのだそうです。その流行は、コミックスとアニメ、映画のようです。ちなみに、アニメは、『ちはやふる Vol.1 [DVD]』をご紹介しておきます。結構な巻数が出ています。まとめたものもあるようです。




ちはやふる」というのは、私の場合は、「百人一首」としてではなく、落語で知ったのが初めでした。その後、「百人一首」については、少し脇道の角度から、つまり、その成立や取り上げられている歌人や和歌に関して、謎に包まれた部分があるというようなことで、興味を持った一面もありました。
 今回、この競技カルタブームについてのニュースを知って、最初に浮かんだことは、百人一首の「謎」のことでした。
 百人一首をめぐる推理小説も結構あるのですが、特に、和歌がらみ、俳句がらみのミステリーというのは、「暗号」にかかわる要素が強くなるのは、当然でもあります。
 そこで、百人一首に関する12の謎を立て、それを解きほぐしていくというのが、今回取り上げる一冊です。そして、その謎解きを踏まえ、是非読み返してみたい本を最後にご紹介します。


百人一首の謎を解く (新潮新書)草野隆 著)




 本書での「ちはやぶる」位置づけは、どうなのか。在原業平の一首は第十番ですが、十一番「住の江の」、十二番「男女川」と、河にまつわる歌が並んでいるというのです。そして、「紅」、「黒」(墨江)、「青」(青く深い淵)という三色になっているというのですが、まずはお読みいただくといいでしょうね。
 個人的には、「猿丸大夫」が気になるところで、実を言えば、百人一首ということで直ちに思い浮かんだのは、次の一冊だったのです。


新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)井沢元彦 著)



 日本の常識と思える歴史が、ある意味、納得できる意外性に満ちていたという逆説的快感を本書で感じたものでした。といっても、三十年以上前のことなのですが、痛みを伴う、六十年代から七十年代への挫折の記憶が、僕らにまだ残っていた時期、こういう歴史の闇に葬られていた陰謀に違和感がなかったのでしたが、それはどうでも、とにかく、今読んでも面白いです。これだけの時間をおいて、梅原史観も眺めなおして見られるのは、結構な贅沢です。
 肩凝る日々が続くあなた、息抜きが必要ですよ。


Amazonでどうぞ