勝利は事前の準備で決まる、文章も

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

芒種 第二十六候『腐草(くされたるくさ) 蛍と為る』

 旬のくだものは、「枇杷」だそうです。すきなくだもののひとつですが、ぷっくとした種が、口の中にある時の不思議な感触がいいですね。
 今日の珈琲は「モカ」です。富澤商店で買ったものですが、モカの基本に忠実?な香りと味です。
 天候は、蒸し暑く、梅雨の晴れ間というのが実感です。

 「文章を書くのは得意ですか?」と聞かれたら、たいていの人は、「得意です」とは答えないでしょうね。それでも、文章を書くことは、それを仕事とする人じゃなくても、仕事で、あるいはプライベートで、文章を書くこと多いはずです。そして、そういう時は、伝える必要のあることがあるわけです。それが、伝わらないというのであれば、悲しいことです。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング (できるビジネス)唐木元 著)




 文章術についての本が、山のようにあるのもそうした事情を反映しているからでしょう。まあ、私もかなりの文章に関する本を読みましたがが、この一冊は、すぐに役立つところ、そして、類書の語るところを、今の時代の感覚で示しているところなど、読んでみて損のないものです。

完読されてこそ良い文章

 「完読される文章が良い文章」という本書の示す究極の目標は、その通りだと思います。「まあ、このへんでいいか」と、途中で投げ出される文章や書籍は、必ずしも文書いうの問題だけではないにしても、つまり、「主題」だってあるでしょうが、結構な数あるし、そういうことをやってもいます。
 完読される文章、それは、書く前の準備で決まる、という本書の指摘は、ごもっとも、その通りです。それでは、その効果的な準備とはいかなるものなのか。それは、当然読んでいただくしかありません。
 というのでは身もふたもない(本書でも出てきます。)ので、キーワードをいくつか。「プラモデルの用意」つまり、パーツの用意ということですね。文章構築の技術は、部材がそろって初めて可能です。
 「主眼のセット」は、その通りですね。文章の冒頭には、「サビ」をもってくる、これは、結論をまず置くという、スピーチやプレゼンのテクニックでもよくある、そして、効果的方法です。

 本には顔があります。本書の顔、表紙を見ていて、この本は役立つと直感したのは、ラミーの黄色いボールペンが描かれていたことからでした。「それって、なに」という人もいるでしょうが、モンブランパイロットの万年筆ではなく、ラミーサファリのボールペン、しかも、ノック式ではない、キャップ式のという選択に、文章を書くことの位置取りが表れていると思ったからです。考えすぎかもしれませんが。
 
 本書には、文章の様々な視点が、感覚としてとらえやすい言葉で語られています。たとえば、文章のスピード感とは文字数当たりの情報量、とか、タイトルは切り口の提示とかですが、完読の仕掛けを学ぶにも参考になります。



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