米大統領選挙に希望的観測は通じるか?

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

小暑 第三十三候『鷹 すなわち 学習(わざをなす)』

 旬の魚はおこぜ、旬の野菜はレタスです。どんよりと曇った空、湿度が高く蒸し暑い日ですが、元気にいきましょう。
 今日の珈琲は「ケニア」です。カシスの風味というのですが、確かに、さわやかな感じが口に残りますが、カシスかどうかはわからないです。しかし、当然のことながら、水温を90度前後からやや低めで淹れると、おいしく、雑味もなくて、後味の清涼感がいいと思いました。


遅ればせながら、この本を読もう

 このところ、世界情勢は、戦後の枠組み以前の、もっと遠くからの時間軸での変動期に入ったような感じがしています。特に、ヨーロッパ、アフリカ、中東世界は、事件の連続のように思えます。英国のEU離脱から、南シナ海をめぐる国際仲裁裁判所の裁定、南スーダン情勢、トルコのクーデター未遂まで、これまでの世界の枠組みに液状化が起きているような感じがします。そこで、遅ればせながらの、泥縄読書をお勧めします。
 英国の国民投票でもそうでしたが、希望的観測というのはたいていの場合はずれるようです。アングロサクソンの社会で意外な選択が起きたとすれば、アメリカの大統領選挙でも、希望的観測が外れる可能性は高いのではないでしょうか。事実、選挙戦の動向は、じわじわと、トランプ氏に傾いてきているような結果が出始めています。
 そこで、遅ればせながらの読書、一冊目はこれです。


トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ (ちくま文庫)ドナルド・トランプ 著)



 自伝というところがポイントです。彼が、彼自身の何を見つめ、どんなエピソードを取り上げているか。仕事ができることと人格的問題などについてとか、自分の何を語りたがっているかを知ることは、彼を知る手掛かりの第一歩でしょう。
「私は金のために取引をするわけではない。金ならもう十分持っている。」といきなり語りだす彼は、「私は取引そのものに魅力を感じる。私は取引をするのが好きだ。それも大きければ大きいほどいい。私はこれにスリルと喜びを感じる。」という人物の自伝は、訳者のあとがきで、今日を予想させるトランプ氏の妻の言葉の紹介で締めくくられています。
 「いずれドナルドは他の分野に目を向けるでしょう。それは政治かもしれないし、何か別のものかもしれません。大統領選挙へ出馬することも絶対にないとは言いきれません」。
 そして、言いきれないとされた事態が起きています。彼が勝たないとも言いきれないでしょう。そしてそれは、太平洋のかなたから押し寄せる津波のように、日本とアジア地域に、希望的観測とは真逆の影響を与えないとも言いきれないのです。

 次回は、南シナ海をめぐる、遅ればせながらの一冊を取り上げたいと思います。




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