深刻な亀裂は決して世界のためにならないでしょう!

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

大寒 第七十二候『雞(にわとり) 始めて 乳(とやにつく)』

 寒暖の差が激しいこの頃ですが、空は晴れ渡っています。大寒、旬のさかなは真鯛。近頃食べていませんね。タラとかカジキマグロ、サバなどを食べることが多くなっています。さかなに関するニュースは、漁獲量の激減を伝えるものばかりです。違法な漁と気候変動の影響のダブルパンチです。
 今日も珈琲は「ブルンジ」です。やっと淹れるコツがつかめたような気がしましたが、焙煎のレベルが、ネルドリップ方式に向いている、という、「まほろば珈琲房」のマスターの言葉がヒントになりました。


アメリカ合衆国憲法修正第25条第4項』を知っていますか?

 アメリカでは、矢継ぎ早に発せられる大統領令違憲か合憲かをめぐって、混乱は、行政機関にも及んできているようです。トランプ大統領は、やると言ったらやる人だということを時々刻々に、証明していますが、果たしてこの混乱で、アメリカのみならず、世界は、日本は、どんな悪影響をこうむらなければならないのでしょうか?大統領が暴走して明らかに適切な大統領の権限の行使ができないとなった時に、その制御のための仕組みはどうなっているのでしょうか?
 大統領の継承の問題を規定した合衆国憲法修正第25条は、大統領がその職務上の権限と義務を遂行できない場合の対処法が規定されています。とりわけ注目すべきは、その第4項で、いまだかつて発動されたことない規定だそうですが、こういうものです。少し長いですが引用してみます。

第4節 副大統領および行政各部の長官の過半数または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申し立てを送付する時には、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする。
その後、大統領が上院の臨時議長および下院議長に対し、不能が存在しないという文書による申し立てを送付する時には、大統領はその職務上の権限と義務を再び遂行する。ただし副大統領および行政各部の長官の過半数、または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務の遂行ができないという文書による申し立てを4日以内に送付する時は、この限りでない。この場合、連邦議会は、開会中でない時には、48時間以内にその目的のために会議を招集し、問題を決定する。もし、連邦議会が後者の文書による申し立てを受理してから21日以内に、または議会が開会中でない時は会議招集の要求があってから21日以内に、両議院の3分の2の投票により、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないと決定する場合は、副大統領が大統領代理としてその職務を継続する。その反対の場合には、大統領はその職務上の権限と義務を再び行うものとする。

 この合衆国憲法の規定については、『二人の大統領―全米震憾の7日間』という本で知りましたが、20年前に出版された本書ですが、なんと、このポリティカルミステリーには、大統領に野心を持つ大富豪が登場したりするのです。それはともかく、

 第25条については、発動を検討されたことが、2度ほど、レーガン政権の時代にあったようです。とりわけ、1987年、「怠慢で不適切」であり「怠惰」であるとして、大統領の職務遂行不能による第25条の発動がレーガン政権のスタッフの中で検討されたケースは興味深いものがあります。
 アメリカの分断がそこまで深刻な事態に立ち至るのかどうか、最悪のレアケースもシナリオの一つとして検討しておくことは、一国の安全保障上必要でしょう。気が付いたら、イスラエルと日本だけが、トランプ氏の側に立っていた、などという悪夢は見たくないです。
 それはともかく、今回、アメリカという国について、日本人の先入観を突き抜けて、考えてみたいということで、まずは、ネイティブアメリカンアメリカ先住民とのかかわりが、今日どのようなアメリカ人の意識を形成することにつながったのか、そのようなことを探ってみようということで取り上げたのが、以下の書籍です。


ルイス=クラーク探検―アメリカ西部開拓の原初的物語 (SEKAISHISO SEMINAR)明石紀雄 著)



 「『ルイス=クラーク探検』の今日的意義を探るのは、もう一つ別の問題意識があるからである。すなわち、ルイスとクラークの率いた探検隊が何を発見したのかということだけでなく、彼らが体験したことをのちのアメリカ合衆国民がいかに理解したか、同探検隊が得た教訓をのちの人々がいかに学んだか、あるいは学ばなかったかを探りたいと思うのである。」という著者の問題意識は、いま、アメリカ合衆国を見つめる、多くの人の基底部的問題意識ではないでしょうか?
 ちなみに、本書について、私はパックンこと、パトリック・ハーランが出演したテレビ番組での彼の発言で知りました。彼には、ネイティブも血が流れているのだそうです。




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記憶違いを修正しました。不動産王→大富豪に。