最近は脳の延長の手首が痛い

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

>大暑 第三十六候『大雨 時どきに ふる』

まさに時候通りの空模様で、各地では、豪雨被害、大雨に対する警戒が呼びかけられています。

今日の珈琲は「ブラジル・ブルボン」、普通にもむ珈琲としてブラジルは外せないです。

時間というOSを組み込んだ『手帳

 前回に引き続いて、キーボードをたたくことと、筆記用具を使って文字を書くいうことの違いについて意識することを下敷きにして、「手帳」をめぐるあれこれです。
少し補足すると、前回、脳から直接つながている感じがする「書くという行為」に対して、キーボードは変換というワンクッションが入ることで、脳からの文字のアウトプットが、間接的な気がするので、といった感覚です。。
 「手帳は、文房具の中では特異な位置を占めている。それは、システムを内包しているということだ。いうならば、一種脳の機能が二次元的に表示されているということだろう。」(『まずは書いてみる』
 「手帳とは何か。ノートに時間軸というOSをインストールしたものだと言える。」(『手帳の選び方・使い方』
どちらも同じことを語っているのですが、この時代、つまり、アイフォンが一台あれば、スケジュールからメール、情報収集、写真まで、大概のことができて、音楽も聞けるし、映画も観れます。そんな時代に手帳を使うのは、どういうことなのか?という問いに対する答えは、生理的に馴染むからというか、人の本性に根差しているからでしょう。

まずは、書いてみる [時間][アイデア][やりたいこと]がどんどん湧き出すメモの習慣藍玉 著)

手帳の選び方・使い方 (エイムック 3566)神龍 著)

 どちらも面白い本です。『まずは書いてみる』は、意外な気付きのある本でもあります。たとえば、「手帳の買い替えの時期」は、生活スタイルが変わったから、ということがあって、それは、とっておきの一冊を選んだはずなのに、しっくりこなくなった時に、原因を考えてみると、生活スタイルが変わった時だった。
 確かに、忙しくなった時と、暇になった時とでは、時間管理の幅が違ってくるのは当然ですね。
 その他、「ほぼ日手帳が使いこなせない人へのアドバイス」とか、バーチカルタイプに切り替えてはみたもののあまり書くことがない時はどうするのかとか、色々とヒントに満ちています。
 ところであなたは、日曜始まりをお使いですか?それとも、月曜始まりでしょうか?私の場合、ちょっと変なのですが、引退してから、月曜始まりになりました。なぜだろう?
 一方、『手帳の選び方・使い方』は、著者は、手帳評論家 館神龍彦氏。
 結論は明確で、揺るぎないものです。手帳は使うべし、ということ。「デジタル時代に手書きの手帳を」、というサブタイトルがついていますが、この問題意識はわかりますね。文具手帳や万年筆も、デジタルデバイスへの依存が深まれば深まるほど、必須のものになってくるのはなぜなんでしょうか?
こうした疑問を下敷きにして、手帳の選び方や使い方の技を知るのは、自分の脳を知ることにもつながるような気がしています。日本における手帳の歴史は福沢諭吉が、1862年に欧州使節団の一員としてパリから持ち帰ったものに端を発するようです。
 こんな出自を持った、時間軸というシステム内蔵の手帳、人類の発明の中でも、結構、ランクは上のような気がしてきました。



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